質問から
1)小腸方CD歴十数年。オペを何度も繰り返して、残存小腸2メートル弱で現在狭窄有り。
2)再燃し、オペとなると、在宅IVHを覚悟しなくてはならないと感じています。
そうなった場合は、一生涯でしょうか?
3)良い薬ができて、他のCD患者が、病気とさよならできても、一生、IVHと共に生きて行かなければならないのですか? 小腸移植ができる日が来るのでしょうか?
答え
1)クローン病で短腸症候群になると本当に大変です。ですが、在宅IVH=完全に食事ができないかというとそうでもありません。
実際には在宅IVHと食事&EDの併用になります。また吸収するまもなく出てゆくので、水分・ミネラルの補給が重要ですが、夏は特に問題です。しかし最近はソリタT顆粒などで補給できるようになりましたのできめ細かくコントロールすれば大丈夫でしょう。
また、在宅IVHで炎症(CRPなどの上昇)が出てくるようなら、レミケードの併用も考えなければいけないかもしれません。
私の患者さんで、在宅IVHで立派に社会生活して、結婚される方もいます。何とか前向きに考えてくださるようお願いいたします。
以前クローン病ではないですが、事故で1m強の短腸症候群の患者さんが何年かするうちに小腸が伸びて2mくらいになった報告を聞きました。人間の体は順応能力が高いので炎症が落ち着いていれば、次第に小腸が伸びてくる可能性はあります。
2)小腸移植について
小腸移植はクローン病に対して現状では確立されたものではないです。肝臓やじんぞうの移植に比べて拒絶反応がつよく、さらに移植した小腸での感染症が十分にコントロールできないためです。
1964年に初の小腸移植以来、40年経過しましたが、小腸移植はいまだ発達段階の治療で、拒絶反応とそれにひき続く感染症のコントロールが大きな課題となっています。したがって、中心静脈栄養を行っても、生命がおびやかされている患者さんが、現在の小腸移植の対象とされています。1985〜 小腸移植の実際のデータは、1995年の10年間に国際的に登録症例の報告を見ると、小腸の生着率は、小腸の単独移植では1年生着率は65%、3年生着率は29%となっています。最も小腸移植症例の多いピッツバーグ大学では成人のクローン病の患者さんで長期の中心静脈栄養法の維持に困難をきたした8例が移植をうけたと報告されています。
しかし免疫学の急速な進歩により、移植の拒絶反応のコントロールにさまざまなアイデアが試されているので、ほかの臓器の移植がこの10年で格段に進歩したのと、同様に次の十年で飛躍的に進歩する可能性はあります。
また再生医学の今後の進歩で、自分の体細胞から臓器ができる可能性があります。この場合には拒絶反応のことは問題になりません。なお皮膚や角膜がもっとも再生医学応用としては早いですが、小腸、少し後になるでしょう。
それまでは、残った小腸を大切にしていきましょう。
医学の発展に期待してください。
大変な病態ですが、くれぐれもお大事に。

1)小腸方CD歴十数年。オペを何度も繰り返して、残存小腸2メートル弱で現在狭窄有り。
2)再燃し、オペとなると、在宅IVHを覚悟しなくてはならないと感じています。
そうなった場合は、一生涯でしょうか?
3)良い薬ができて、他のCD患者が、病気とさよならできても、一生、IVHと共に生きて行かなければならないのですか? 小腸移植ができる日が来るのでしょうか?
答え
1)クローン病で短腸症候群になると本当に大変です。ですが、在宅IVH=完全に食事ができないかというとそうでもありません。
実際には在宅IVHと食事&EDの併用になります。また吸収するまもなく出てゆくので、水分・ミネラルの補給が重要ですが、夏は特に問題です。しかし最近はソリタT顆粒などで補給できるようになりましたのできめ細かくコントロールすれば大丈夫でしょう。
また、在宅IVHで炎症(CRPなどの上昇)が出てくるようなら、レミケードの併用も考えなければいけないかもしれません。
私の患者さんで、在宅IVHで立派に社会生活して、結婚される方もいます。何とか前向きに考えてくださるようお願いいたします。
以前クローン病ではないですが、事故で1m強の短腸症候群の患者さんが何年かするうちに小腸が伸びて2mくらいになった報告を聞きました。人間の体は順応能力が高いので炎症が落ち着いていれば、次第に小腸が伸びてくる可能性はあります。
2)小腸移植について
小腸移植はクローン病に対して現状では確立されたものではないです。肝臓やじんぞうの移植に比べて拒絶反応がつよく、さらに移植した小腸での感染症が十分にコントロールできないためです。
1964年に初の小腸移植以来、40年経過しましたが、小腸移植はいまだ発達段階の治療で、拒絶反応とそれにひき続く感染症のコントロールが大きな課題となっています。したがって、中心静脈栄養を行っても、生命がおびやかされている患者さんが、現在の小腸移植の対象とされています。1985〜 小腸移植の実際のデータは、1995年の10年間に国際的に登録症例の報告を見ると、小腸の生着率は、小腸の単独移植では1年生着率は65%、3年生着率は29%となっています。最も小腸移植症例の多いピッツバーグ大学では成人のクローン病の患者さんで長期の中心静脈栄養法の維持に困難をきたした8例が移植をうけたと報告されています。
しかし免疫学の急速な進歩により、移植の拒絶反応のコントロールにさまざまなアイデアが試されているので、ほかの臓器の移植がこの10年で格段に進歩したのと、同様に次の十年で飛躍的に進歩する可能性はあります。
また再生医学の今後の進歩で、自分の体細胞から臓器ができる可能性があります。この場合には拒絶反応のことは問題になりません。なお皮膚や角膜がもっとも再生医学応用としては早いですが、小腸、少し後になるでしょう。
それまでは、残った小腸を大切にしていきましょう。
医学の発展に期待してください。
大変な病態ですが、くれぐれもお大事に。



