ドクターTORAの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

今週の診療から
 IBDの診療で有名な某大学に入院中の患者さんのご家族が相談に見えました
お話を聞くと20歳代の女性で
1)潰瘍性大腸炎で重症
2)サイクロスポリンで治療しているが、十分な寛解には至らない
3)サイトメガロウイルスの感染もあり、治療が必要である
4)内科的な治療がうまくいかなければ、外科治療も必要かもしれないが、、、
というきわめて重症の潰瘍性大腸炎です。
現状では
A)病棟の主治医が若い先生で熱心に診察している
B)治療方針は炎症性腸疾患専門のチームリーダーの先生が決定する体制
C)治療の効果、副作用について説明がなされているが、
 治療方針の決定について、ご家族が選択を迫られていて、手術かこのままが内科的治療がいいか、混乱している。
私としては
V)御家族には現在潰瘍性大腸炎に対して現状で最も効果的な治療がなされていることを説明。
W)サイトメガロウイルスによる腸炎はデノシンという治療薬である程度コントロール可能であることを説明。
X)内科的治療で寛解が困難な場合には、外科的治療が必要であること
Y)主治医から各治療法の副作用の説明があり、副作用の可能性に混乱しているが、決して頻度の多くない副作用の可能性にこだわらずに、患者さんとご家族と主治医の先生とが共同で治療に当ること
Z)医師にできないご家族からの心理的なサポートがとても重要なので、ご家族のサポートをよろしくと、
Ω)最終的に、潰瘍性大腸炎で内科治療をがんばってむずかしいようなら、外科治療が有効であり、根治=潰瘍性大腸炎とサヨナラできること
以上を説明しました。
今回のケースから学んだこと
 1)説明の難しさ
 今回の患者さんも、おそらく大学の主治医やチームリーダーの先生も懸命に同じ説明をされていたと思われます。
 私の経験からも、医師が患者さんに説明することと、患者さんがその説明を理解して納得することは、ことなりますので、本当にむずかしいですね。自分自身は、医師としてさまざまな患者さんに説明をしてきました、また患者として、首の手術を受ける説明を受けました、また家族として父の肝臓や大腸の病気、母の膠原病の説明を何度も受けてきました。その時点ではそれがベストでも、後になると果たしてということもあります。しかしそれは人生のほかの事柄(進学や就職、結婚、出産、などなど)でも同じことです。その時点の情報から選択してゆくしかないわけです
 2)説明における治療効果と副作用のバランスのとり方
 今の医療情勢では、知義務の観点から、治療の作用よりも副作用の説明が先走ってしまい、患者さんやご家族は返って混乱することもあるのかなと感じました。
 また、副作用の可能性は、決して多くないのですが、その頻度や可能性を十分に伝え切れていないのかなーと感じました。
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