ドクターTORAの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

 潰瘍性大腸炎では、白血球、リンパ球の活性化が病態の中心と考えられています。
 白血球、リンパ球の活性化が病気の中心をなす病気としては、臓器移植があります。ほか自己免疫疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病、リューマチなど)がいつ、どのように起きてきたのかわからないのに比べて、臓器移植の場合、移植したことによって、白血球、リンパ球の活性化が拒絶反応をおこしてきますので、わかりやすいわけです。
 臓器移植の患者さんでは拒絶反応を抑制するためにサイクロスポリン、イムランなどが用いられており、
 最近ではIL2(インタロイキン2)の活性化が拒絶反応の中心であることがわかり、抗IL2抗体薬が臓器移植の臨床に使用されています。実際には、IL2ではなくIL2受容体を抑えるほうが効率的ですので、DACLIZUMAB(抗IL2受容体抗体薬)が移植の患者さんで良好な結果をしめしているので、潰瘍性大腸炎でも、その効果が検討されました。英国消化器病学会雑誌2006年55:1568p

対象:159人の潰瘍性大腸炎(中等症から重症)
方法:ランダム化プラセボ対象二重盲検試験
結果:
 DACLIZUMAB投与群では偽薬に比べて4週間後の評価で臨床症状、内視鏡で改善なし。

DrTのコメント
 残念ながら、DACLIZUMAB(抗IL2受容体抗体薬)は、臓器移植で有効でも、潰瘍性大腸炎で無効なようです。
しかし、DACLIZUMAB(抗IL2受容体抗体薬)はIL2(インタロイキン2)の活性化をすべて抑制しているわけではないので、IL2を抑制する治療が潰瘍性大腸炎の場合、まったく効かないというわけではないと思われます。今後に期待しましょう。

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