ドクターTORAの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

質問から
 先日テレビで仮想内視鏡の事をやっていましたが、もしこれが数年後に一般的な検査の手法となった場合、潰瘍性大腸炎やクローン病に適用される可能性は有るのでしょうか?
答え
 大腸がんの増加に比べ、経験のある内視鏡医が不足する欧米ではCTを用いた仮想内視鏡が実用化されつつあります。前処置や検出能力は注腸バリウムと同じくらいですが、注腸バリウムが検査する医師や技師の技量に対してCTを用いた仮想内視鏡は一定の結果が得られ、一度に多くの患者さんが検査できます。大腸がんの疑われる患者さんは何十万人もいますのでこの点は重要です。大腸カメラや注腸検査は一日10人やればへとへとですが、CTを用いた仮想内視鏡は20人以上可能です。ただし読影に時間がかかるため今度は読むほうがやや大変です。これはCTやMRIの発達に応じて放射線線科医の仕事が数倍に増えたことと同様です。
 ただ潰瘍性大腸炎では内視鏡による大腸粘膜のきめ細かい観察と組織検査が治療方針の決定に重要ですので、これを置き換えるものではないと考えられます。
 なお個人的には、僕の場合は、腹部超音波でクローン病や潰瘍性大腸炎の病変範囲や構造の把握は福岡の病院時代から内視鏡やバリウム造影や手術所見と超音波を比べてきましたから、約5-10分間で大体把握できますので、被爆のあるCTによる仮想内視鏡は不要です。