ドクターTORAの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

コメントから
 潰瘍性大腸炎にステロイドについては即効性のあるとはいえ使うの控えるべきと考えます。
ステロイドの副作用は先生もご存知のように目に関するものから骨に関するものまで様々です。その中でも目に関する副作用は眼底出血や眼圧上昇と眼球に繋がる視神経を損傷させ視力を失う恐れもあります。光を失うことは食べることを失うより辛いです。
答え
 潰瘍性大腸炎の治療で、ご指摘のような、問題となる副作用(高血圧、糖尿病、緑内障、白内障、骨粗鬆症など)大量に長期間に使用した場合に起きます。1-2ヶ月の短期間の場合、早く減らせば大きな問題は経験していません。
 私自身、中学時代に肉親が膠原病になり、ステロイド治療を受けてきたことをみてきた経験があります。その当時は膠原病に大量にステロイドを投与する時代であり、免疫調整剤も十分でないため、長期的に減らすことができず、20年後には最終的には上記の副作用をすべて合併して亡くなりました。ステロイドの怖さは十分承知しているつもりです。
 一方、ステロイドは現在でも潰瘍性大腸炎の治療では重要な位置を占め、うまく使用すれば安定した効果を発揮する薬です。白血球除去治療だけで抑えきれない場合があり、白血球除去の適応にステロイド抵抗性の中等から重症の潰瘍性大腸炎とされているわけで、併用する場合のが多いです。逆にいろいろな治療を組み合わせてきちんと治療して安定させることがもっとも重要です。同時に定期的に副作用をチェックしてゆくことも重要ですが。
 現在、気管支喘息では肺にだけ働くようなステロイドが開発され、緊急入院や喘息死が減りました。肺にだけ効くので全身的な副作用はなく、妊娠している女性にも投与可能になりました。しかしそれでも重症の気管支喘息発作には昔ながらのステロイド全身投与を使用しなければならない場合があります。
 どの医師も患者さんのことを考え、ステロイドの功罪を考えながら、このようなジレンマと戦いながら治療していることをご理解しください。
 現在、潰瘍性大腸炎において腸管の表面だけ効果を発揮するようなステロイドが開発されており、近い将来実用化されるでしょう。