ドクターTORAの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

 本邦では潰瘍性大腸炎の治療において食事の制限が重要視されていますが、実は裏づけとなる
きちんとしたデータは少ないです。
理由
1)食事を思い出してもらって分析するというやり方は記憶があいまいなため、当てにならない。(皆さん自身、先週の月曜日の夕食を思い出してください:ちなみに僕は覚えていません)
2)潰瘍性大腸炎自体が経過中に良くなったり悪くなったりするので、特定の食事内容がどのように変化を及ぼすか判断がむずかしい。病気そのものの変化か、食事によるものなのか区別ははなはだ困難です。
3)長期間にわたっての正確な食事データをとることがむずかしい。(例:一ヶ月間、正確に食事の記録を取ることを考えてみてください)。また同じ食品でもいろいろある(例:パンにもロールパンからクロワッサン、コッペパン、アンパンなどいろいろあります)
 最近、イギリスの病院から寛解期の潰瘍性大腸炎において1年間もの長期間のフォローアップで行ったデータが英国消化器病学会誌Gut2004:53:1479-1484に出たので紹介します.
対象 
1)イギリスの2病院に通院中の潰瘍性大腸炎463人中 寛解期の191人に
2)一年間前向きに追跡して調査(ボランテアが協力しています)
3)患者さんの食事の内容をイギリスでよく食べられている107の食品群に詳しく分類し、
外来通院ごとに潰瘍性大腸炎の状態と食事内容、量を追跡して調査。
4)この107の食品群のグループ分けは、すでに糖尿病や癌などほかの病気での食事調査で使用され、わかりやすく、使用しやすいと確認されているものです。
結果
潰瘍性大腸炎の悪化に関係する食事内容
1)肉類
2)加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)
3)アルコール類

が有意に悪化に関連した。
 なお、ミルク、卵、果物、野菜、魚、砂糖、スナック類は、潰瘍性大腸炎の悪化には明らかな関与なしでした。また栄養成分については
蛋白摂取の多い方が再燃する傾向で、脂肪、炭水化物の相関は明らかでなかったようです。、
Dr.Tのコメント
潰瘍性大腸炎の研究として、きちんとした研究の計画性、1年間丹念に食事内容の調査を行った継続性、客観的なデータの集計と解析法、先生方、ボランテアのかたがた、協力した潰瘍性大腸炎の患者さん方の熱意からなるすばらしい成果です。
まさにジョンブル魂ここにありですね。

明日からの潰瘍性大腸炎の皆さんの食事に役立てくだされば幸いです。