ドクターTORAの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

免疫調整剤をクローン病ででいつまでつづけるか
 免疫調整剤:アザチオプリンやロイケリンが1990年代から欧米でクローン病に広く使用されるようになり、2006年から本邦でもステロイド依存性の潰瘍性大腸炎やクローン病で保険適応となりました。免疫調整剤を開始して徐徐にステロイドを減らし最終的には3ヶ月くらいでステロイドを中止できます。
 問題は免疫調整剤をいつまで継続するかですが、なかなか決まった答えがありません。欧米の先生方も同じ問題で悩んでおられるようです。フランスの多施設共同研究の結果が出ましたので紹介します。

対象
クローン病でアザチオプリンを用いて3.5年以上寛解になった患者さん:83人
患者さんを2群に振り分けてアザチオプリンか偽薬を投与して1年半経過観察。
グループ1:アザチオプリンを継続した
グループ2:アザチオプリンで中止し偽薬を投与した
#グループ1と2の間で年齢、性、クローン病の期間、病型、重症度に差はなし。

結果
18ヵ月後
グループ1(アザチオプリン継続):再燃率8%
グループ2(アザチオプリン中止):再燃率21%
結論
 クローン病では、アザチオプリンを3.5年間の寛解後に中止すると再燃しやすいので、3.5年以上継続すべきである。
アメリカ消化器病学会誌2005年128巻1812pに掲載

DrTのコメント
 クローン病全体で多施設比較試験を行うとアザチオプリンの継続使用が有効ですね。しかし私の経験では、粘膜が完全に治癒している患者さんでは数名中止して2年間以上安定の方がいます。一般論としては継続すべきですが、一人ひとりのケースでは、炎症の程度、粘膜の治り具合を考えて、主治医と患者さんが決めてゆくべきでしょう。