ドクターTの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

質問から
1)クローン病歴17年、手術歴なしです。
2)回腸狭窄、S状結腸狭窄があり、6年前から、半年に一回位のペースで腸閉塞を繰り返すようになりました。腸閉塞はいつも一週間位で良くなりますが、このままの状態を続けても良いのでしょうか。
3)バルーン拡張、レミケードの話を聞くと迷います。外科の先生と手術の相談もしましたが、決心がつきませんでした。

答え
1)腸閉塞を起すような狭窄の場合、レミケードを用いるとさらに悪化する可能性が高いのでレミケードはやめたほうがいいでしょう。
2)S状結腸の狭窄は腸管が固定していないのでバルーン拡張が困難です。たびたび腸閉塞を起すようでは、狭窄の長さが長く、複雑な病変であると想像できます。また回腸とS状結腸病変の間に瘻孔があるかもしれません。

3)治療としては、バルーン拡張を試みてもいいですが、最終的には回腸とS状結腸の狭窄は手術されたほうがいいでしょう。
新薬についてこれまで2回にわたって解説しましたが、今回は、日本の事情です。 
 前回までに述べたように、新薬の開発は候補から使える薬になるまで1/1000の確率で大変な作業ですが、分子生物学や遺伝子研究やコンピュータによる予測技術の向上で、その確率は1/100程度に上昇してきています。
 日本ではこれらのすべての段階で多くの時間がかかり、アメリカで認可された薬でも日本で使用できるまで2-3年の遅れがあります。たとえば私の関与したものでは、レミケードはアメリカ1998年認可、日本2002年認可、カプセル内視鏡はアメリカ2000年認可、日本では2007年認可でした。日本発の治療薬は幾分早い傾向にありますが、カプセル内視鏡やレミケードが論文かされてからアメリカ政府FDA局が認可するまでの速さほぼ6ヶ月程度にくらべると雲泥の差があります。ヨーロッパはアメリカに追いつくべくEU全体で治験を行う体制を整えています。
 日本の社会は伝統的に完璧を求め、危険を回避する傾向が強く、厚生労働省はじめ日本政府には製薬バイオ産業を21世紀の産業として強く支援していません。そのため炎症性腸疾患の治療薬だけでなく、がん患者さんの治療薬でも同じような状況がありますが、このような状況が改善され、今後日本でも次第に体制が整うことが予想されます。
新薬について実際の研究から申請、承認までを解説します。
研究から臨床応用までの流れ
1)新薬のアイデアから候補を選ぶ(ここまでが大学や研究所の仕事です)
2)動物実験で効果があり、毒性が無いことを確認する(これ以下が製薬会社の担当です)
3)臨床治験をおこなう
A)正常人で安全性を検証。
B)専門病院・大学病院で効果と安全性を検証。
C)一般病院で広く効果と安全性を確認。
#一般に新薬になる物質の探索から商品になるまで10年かかり、
薬の候補1000個の中から、ものになるのは1個という確率です。
4)国に申請する。申請後認可までに日本では2-3年かかります。

 アメリカ政府は医薬産業を21世紀のアメリカの重要な産業と捉えて積極的に薬の開発を支援していますので、欧米の雑誌には多くの新薬の治験の結果=上記の3)B)専門病院・大学病院で効果と安全性を検証した結果がすばやく投稿され掲載されます。
 
論文の紹介
免疫調整剤を潰瘍性大腸炎でいつまでつづけるか
 
 免疫調整剤:アザチオプリンやロイケリンが1990年代から欧米で広く使用されるようになり、2006年から本邦でもステロイド依存性の潰瘍性大腸炎やクローン病で保険適応となりました。免疫調整剤を開始して徐徐にステロイドを減らし最終的には3ヶ月くらいでステロイドを中止できます。
 問題は免疫調整剤をいつまで継続するかですが、なかなか決まった答えがありません。欧米の先生方も同じ問題で悩んでおられるようです。ニューヨークのLenoxHillHospitalは多くの炎症性腸疾患を診療しているクリニックですが、そこからのデータが出ましたので紹介します。

対象
潰瘍性大腸炎でロイケリンを用いて寛解になった患者さん334人
グループ1:ロイケリンを継続した患者さん
グループ2:ロイケリンを何らかの理由で中止した患者さん
#グループ1と2の間で年齢、性、潰瘍性大腸炎の期間、病型、重症度に差はなし。

結果
グループ1:平均再発期間58週間
グループ2:平均再発期間24週間
2年後の再発率は
グループ1:60%に対してグループ2:91%

アメリカ消化器病学会誌2004年462pに掲載

DrTのコメント:クローン病に比べて潰瘍性大腸炎は再発しやすいようです。再発を繰り返す患者さんではロイケリン、アザチオプリンの継続使用が有効ですね。
このブログでは皆さんに希望を与えるよう最新の治療薬情報として欧米の医学誌に載った治療薬の情報を積極的に載せていますが、残念ながら日本ではすぐ使用できるわけではありません。
 しかし分子生物学、免疫学はすごいスピードで発展しており、新薬の中には画期的なものも少なくないのでそのような新薬を選んで紹介しています。日本では新薬の申請から承認までが遅いため、炎症性腸疾患の皆さんに使用できるのに時間が数年かかりますが、希望を持って見守ってください。


質問から
 潰瘍性大腸炎でプレドニン10mgキープで悩んでいた者です。服用歴は2年。緩解して1年ほどです。 最高で50mg。10mgが1年半続き、現在は7.5mgになって1ヶ月です。
Tコレステロール:252H、さらに眼圧が上がっているので、ようやく7.5mgにへりました。
この1ヶ月、腕や足にプツプツ湿疹が出ています。
1)プレドニンの長期化が気になって精神的に過敏になっているので、次回も減量してもらいたいのですが、減量後の湿疹だと減らしてもらえないものでしょうか?
2)離脱に向けた減量ペースはどのようなものでしょうか?

答え
1)潰瘍性大腸炎のステロイド減量においてまず湿疹は関係ありませんが、当然ながら皮膚科に見てもらってください。
2)潰瘍性大腸炎のステロイド減量のペースは教科書的には一日5mgを2週間です:慎重な場合は2.5mgづつを2週間単位で減らします。7.5mg以下で潰瘍性大腸炎が再燃するようなら、免疫調整剤を併用すべきです。
簡単ですが、お大事に。
 質問から
 こんにちは お世話になります。教えてほしいことがあるのですが、クローン病の大量出血で手術適応となった場合、予後はどうなりますか?
 何回も大量出血して死にそう目に遭遇しているのですが、先生方には狭窄やろうこうに比べ出血が治まれば簡単に受け流されているように思います。貧血のときは意識が朦朧していつ無くなるかとても不安です。

答え
 クローン病出血型の場合、出血時には本当に大変です。大量出血時は手術はやむ終えません。
 僕自身の患者さんは、以前にブログで紹介したような治療をしておりますので最近は安定しています。炎症や潰瘍をなるべく完全に抑えることが重要でしょう。
 簡単ですがお大事に。
質問から
1)小腸末端部の二箇所の狭窄とロウコウの切除手術を受けました。
当初、病変は全て切除(20cm)の予定でしたが、オペの時に腸内でバルーンを膨らまし、そのバルーンが狭窄部を通ったので、二箇所の内に一箇所は残しました。
2)術後、食事が開始したら体調が悪くなり、食事しても物が腸内を通過してないのが判り、内科主治医に相談したら、残した病変で通過障害が出ているとのことでした。

この場合、再手術しか方法はないのでしょうか?
答え

難しい質問です
1)癒着による通過障害の可能性がありますから、まずはダイケンチュウトウなどを試してみてください
2)小腸末端部ですから、大腸カメラで観察してバルーン拡張してはいかがでしょうか。
3)成分栄養剤や流動食が通らないようなら再手術もやむ終えないでしょう。
簡単ですがお大事に。、
今週の診療から 
 四国からアフタと潰瘍性大腸炎ということでクローン病の可能性を心配しておられる方がいらっしゃいました。
 内視鏡所見を見ると直腸炎型の潰瘍性大腸炎らしく、クローン病の可能性は低いようです。関西方面の専門医を紹介しましたが、クローン病でないことをなんとしても証明してほしいようでした。
1)クローン病の可能性が低いことは説明できますが、将来もふくめて完全に否定するのは困難です。
2)潰瘍性大腸炎の直腸炎を治すためペンタサなどの服用を勧めましたが、いやだということでした。

DrTの独り言
 潰瘍性大腸炎の専門医が見てもアフタだけの場合、その後どうなるかは意見が分かれます。
潰瘍性大腸炎を進行させたくないなら、今のうちにペンタサを進めましたが、それもいやだというのでは困ってしまいます。
 昔子供の頃に読んだイソップ物語で王妃様になる女性の条件でお城に来るのに
1)歩いてはいけない、飛び降りてもいけない、動物や輿(こし)や車などに乗ってもいけない。
2)服を着てはいけないが、裸でもいけない。という話を思い出しました。
 皆困っていましたが、大変賢い美しい女性がいて、らくだに引かせた絹の網の中に体を入れてお城に着き、見事王妃の座を手に入れたという顛末です。
 現実に残念ながら、このような訳にはいきません。潰瘍性大腸炎でキチン治療すればいいことなど、ある程度は現状をわかってくださるよう申し上げました。
今週の診療から
ペンタサとサラゾピリンにアレルギーを持つ潰瘍性大腸炎患者さんがいらっしゃいました。アレルギー鼻炎がひどく、それが治ったあたりから潰瘍性大腸炎になったようです。ステロイド一年以上を減らすことができず困っており、来院されました。内視鏡所見、症状とも中等症でした。
治療方針
 潰瘍性大腸炎の治療で、ペンタサ・サラゾピリンがアレルギーで使えないとは将棋で言えば飛車と角抜きで指すようなものです。(ちょっとたとえが古くてすみません、とにかく基本的薬剤が使用できないのはつらいです。)
1)ペンタサは一時期は服用できたようですので、一日1錠の少ない量から少しずつ増やしてゆきます
2)ステロイドは一日10mgと少ない量なので少し増やして一度炎症を完全に抑えます。
3)栄養状態はいいので食事の基本的注意は守ってもらいます。
4)ステロイドが有効なら安定させて、ステロイドをを減らす治療を行ってゆきます。すなわち潰瘍性大腸炎にたいして白血球除去や免疫調整剤の治療を加える予定です。
以上のことを患者さんにお話し具体的なスケジュールと方向性を明確にしました。

 DrTの独り言
 潰瘍性大腸炎の患者さんはなぜ自分がなったのか、これからどうなるのかということを皆さんとても心配しています。日々の診療でなるべく具体的な治療成績や方向性を数字で話していますが、それが安心と信頼につながり病状も安定するようです。これからもがんばりたいと思います。

質問からてるさんお待たせしました
 クローン病歴2年、約4ヶ月の入院後は再燃していないんですけど、最近関節と筋肉の痛みがあって、痛みが一ヶ所ではなく移動するんですけど、クローン病の再燃のサインなんでしょうか?
痛みは、鎮痛剤を飲む程ではないんですけど、入院中も関節痛、筋肉痛には苦しめられたもので…
答え
1)関節痛が移動するのはクローン病再燃による可能性が高いです。CRP、炎症マーカーを調べてもらってください。
2)筋肉痛はクローン病の炎症によるものでは起きることはまれでむしろクローン病の栄養障害:電解質異常による筋力低下が多く、1例だけ多発筋肉炎という病気を合併した症例があります。カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの電解質を調べてもらってはいかがでしょう。
簡単ですがお大事に
質問から
2002年の術後〜回腸嚢炎で治療中です。
シプロ・フラジール・ステロイド注腸をしていますが、薬を止めたり減量すると粘血便&血便が出ます。

1.抗生剤は耐性菌が出来るので使用しすぎると効果が悪くなったり、症状を悪化させるなどと聞きますが本当でしょうか?
2.慢性化したポーチ炎は内科的治療での回復は難しいのでしょうか?
3.ATMの様な新しい治療法・薬が回腸嚢炎ではないでしょうか?

答え
 回腸炎については外科医が担当する場合が多く、病態の解明が進んでいません。大変難しい質問です。
1)抗生剤:フラジール、シプロキサンが繰り返し用いられます。使用しすぎると耐性ができるかについては結論が出ていませんが、可能性はあります。
2)抗生剤の治療でむずかしい場合は、
ステロイド座薬や注腸、5ASAの注腸やプロバイオチックスが用いられます。
3)以下の治療が開発されつつあります。
rifaximin, 口から服用しますが吸収されない抗生剤をシプロキサンと併用する。
tinidazole :フラジールの類似した抗生剤です。

簡単ですがお大事に。

 クローン病に、新薬のcertolizumab pegol(セルトリズマブ・ペゴル)が有効である可能性が、米医学誌「New England Journal of Medicine」7月19日号掲載の2つの研究で示された。
A)第1の研究は、ドイツ、Christian Albrechts大学(キール)のStefan Schreiber博士らが、中等度から重度のクローン病患者668人を対象に実施したもの。
1)4週間に3回、certolizumab pegolを400 mgを注射投与し、奏功した患者を同剤の継続投与またはプラセボ投与のいずれかに割り付けた。
2)26週目で寛解を示したのは、継続投与群が48%、プラセボ群は29%のみであった。

B)第2の研究では、米メイヨークリニック(ミネソタ州ロチェスター)のWilliam Sandborn博士らが、662人を対象に、certolizumab pegolまたはプラセボを4週間に3回投与し、その後4週間毎に1回投与した。短期成績はcertolizumab群のほうが良好であったが、長期の寛解率は2群ともほぼ同じであった。

DrTのコメント
 pegolとはポリエチレングリコールで抗体を処理したもので長い期間体内にとどまるため、より長期間の効果が期待されます。偽薬=プラセボに比べてぱっとした効果が無いようですが、今後に期待しましょう。
 質問から
 このところレミケードほぼ8週間隔を維持しており、発熱等の症状は殆ど出ていません。
 現在の悩みは非常にガスが発生することです。しかもにおいも日によりますが相当あります。消泡剤の入った市販の整腸剤は効果があるでしょうか?

答え
 ガスの解決法はいくつかあります
1)漢方:ダイケンチュウトウ
2)抗生物質:ガスをつくる菌を減らす
3)消泡剤:ガスコンなど
4)可溶性食物繊維(ジャムにできる果物:りんご、イチゴ、桃、バナナに含まれます)
5)乳酸菌、ビフィズス菌をとること
4、5は患者さんができることなので、現在の主治医と腸管の状態を相談しながら、やってみてください。お大事に。
質問から
 レミの副作用かわからないですが、使用後1ヶ月ぐらいたってからニキビみたいなものが全身にできました。副作用ですかね?対処法ってありますか?
 答え
 レミケードで栄養の吸収が良くなるとにきびができることがあります。
ステロイドやIVH、エレンタールでも栄養状態が良くなるとおきる事があります。
 皮膚科に診てもらってください。簡単ですがお大事に。
質問から
1)手術を勧められているクローン病40代の男性です。20代後半にクローン発症、小腸の出口狭窄部を切除(20cm)イムランは吐き気やだるさがひどく仕事できず、途中で中止になりました。
2)1年半くらい前から腹痛で検査、吻合部に3cmくらいの狭窄あり。3回大腸内視鏡によりバルーン拡張術実施、なお、大腸内視鏡が入りにくく患部に到達するまで時間や辛さあり。4回目は狭くてバルーンが入らないと中止。小腸透視では流れてはいるとのこと。

 手術するなら調子が比較的良い今がいいと主治医。そうなのでしょうか?手術のタイミング等教えてください
答え
1)クローン病は5年で30-40%、10年で50-70%手術になります。
2)初回手術後の再手術率も5年で30-40%、10年で50-70%と同様です。
3)発病後20年で1回の手術歴、現在の症状、バルーン拡張困難などの状況から早めの手術を勧めます。長引くと狭窄部から瘻孔や膿瘍になりますので、人工肛門偽ざる得ない可能性がありますが、現在なら狭窄部のみので十分です。
4)手術後の再発予防ですが、上記のデータはペンタサとエレンタール時代のものです。イムランやレミケードを用いれば格段に違うと考えます。
5)イムランがむずかしいのであればロイケリンを使用してはいかがでしょう。レミケードを手術後に早めに小腸をチェックして再発していれば使用することもひとつの解決策です。
以上簡単ですがお大事に。
質問からmiuさんお待たせしました
1)潰瘍性大腸炎(重症)、壊疽性膿皮症、仙腸関節炎の患者で、PSL10mg以下にすると壊疽性膿皮症が再燃し、引き続いて潰瘍性大腸炎も悪化するという状態でした。
2)入院の上、PSL40mgより開始し免疫調整剤=6-MPやAZAを併用しようとしましたがに発熱を呈したために導入できませんでした。
3)壊疽性膿皮症がCsAにより治癒したとの報告があるため(緩解維持には評価は定かではないようすです)、現在、PSL15mg、CsA50mg(ピーク230程度)でコントロールしています。PSLを減量していく予定とです。

 6-MPやAZAにアレルギー様反応を呈した患者様にはMMFやMTX、CsA、FK506などの使用をお考えになられるのでしょうか。それともPSL単独で経過観察でしょうか。6-MPやAZAの減感作療法のようなものをされていらっしゃるのであれば教えて頂きたく存じます
答え
大変高度な質問です。
プレドニン依存性の潰瘍性大腸炎であれば、当然
1)免疫調整剤:イムラン、ロイケリンを使用します。*熱が出たからといってやめるわけではありません。
2)イムラン、ロイケリンで吐き気や脱毛、などの副作用で使用が困難な場合は当然ほかの免疫調整剤が使用されます。
A)サイクロスポリン:1990年代から重症の潰瘍性大腸炎に有効とされるが、日本での保険適応なし。
B)タクロリムス(FK506):サイクロスポリンの類似薬ですが、日本のデータがまとまり重症の
潰瘍性大腸炎に対して保険適応を現在申請中。
C)MMF;潰瘍性大腸炎に対して100例以上のまとまったデータなし。
D)MTX:関節リューマチではレミケードと併用される。欧米では炎症性腸疾患では免疫調整剤イムラン、ロイケリンの無効例にまず使用される免疫調整剤。日本では保険適応なしです。
上記の例では、サイクロスポリンが有効なようなのでステロイドが減量できるといいですね。簡単ですがお大事に。
質問から
1)潰瘍性大腸炎で入院してのプレドニゾロン60mgを10mg毎に減量し中止。退院。
2)動悸と関節痛があり、整形外科→膠原病科で検査、異常ありませんで潰瘍性大腸炎の合併症だろうとのことでした。
3)採血で赤沈32血小板375。ACTH、コルチゾン、コルチコステロン異常なしで関節痛治療の為、4月初旬よりプレドニゾロン20mg服用開始2週間後より減量開始。関節痛が再度出現した所、プレドニゾロン0にしてレミケードにて治療を〜と言われ本日に至っています。
4)今は血沈25です。レミケードでの治療のみをおしてくる主治医に精神的に参っています。よろしくお願いします。

答え 
1)潰瘍性大腸炎で、関節炎が残る場合がありますが、その場合は日本では関節リューマチでなければレミケードの適応はありません。
2)潰瘍性大腸炎にレミケードを用いた治験が欧米で発表されており有効ですが、クローン病ほどでは著しい効果はなく、一方症例によってはよく効く症例もあるようです。
3)ステロイド依存性の潰瘍性大腸炎の関節炎ですから、
A)サラゾピリン、
B)イムラン、ロイケリン、
C)白血球除去療法を用いて
だめならD)レミケードが妥当ではないでしょうか。
主治医がレミケードの有効な難治性関節炎の一例として発表したいのかもしれません。

以上簡単ですが、お大事に。
質問から
まっちゃさんお待たせしました。
1) 潰瘍性大腸炎で約15年たちます。
2)昨年、出血がつづいて入院治療しました。重症で静注プレドニゾロン60mgを一週間後、大腸ファイバーしました。
3)主治医の説明で大腸の浮腫(むくみ)がひどいと言われました。粘膜のびらんや潰瘍については一切触れられませんでした。
4)大腸ファイバー後、便秘になりレントゲン写真では横行結腸に便がたまってしまっているとの説明を受けました。
 浮腫みがひどいのは、潰瘍性大腸炎の状態として悪い事なのでしょうか。今日も上腹部が張って痛いので心配です。

答え
1)おそらくS状結腸から下行結腸で潰瘍性大腸炎が活動性が強く、潰瘍を繰り返して狭くなっているようですね。主治医にS状結腸から下行結腸はカメラが通過できたか聞いてください。
2)潰瘍性大腸炎の炎症がひどければ浮腫になりますので、炎症をとめる治療をしてください。
3)潰瘍性大腸炎の炎症が軽度でS状結腸から下行結腸がせまければ、ダイケンチュウトウなどを使用してください。
簡単ですが、お大事に。

質問から
 「大腸炎治療薬用のヒトCD3抗体「Nuvion」の開発を取りやめると発表した。」というニュースを見つけました。「同社はこの日、静注ステロイド抵抗性潰瘍性大腸炎患者を対象にしたNuvionの第3相試験の予備結果を発表した。それによると、同薬の有効性は認められず、静脈ステロイド単独より安全性で劣ることが示された。」うまくいかなかったのでしょうか?
答え 
 新しい薬はこれまで標準的に使用されてきた薬に比べて、効果が優れ、副作用が少ないことが求められます。そのことを確認するために治験が行われるわけです。
 潰瘍性大腸炎では30年以上前からステロイドが使用され、悪化時の治療として一定の効果を挙げてきました。潰瘍性大腸炎の新しい薬は常にステロイドと比較され、統計学的にステロイドを使用したグループと新薬を使用したグループとで差が出ないか、新薬のほうが劣っていれば開発は中止されます。
 
 ここ10年で分子生物学が発達して炎症や癌の成り立ちが細かにわかってきましたので、次々新薬が開発されています。このブログでもいくつかの新薬を「レミケードと新薬」のグループで紹介してきましたが、潰瘍性大腸炎の新薬としては10種類以上がまだ開発途上にあります。皆さん期待して見守ってください。