ドクターTの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

 クローン病の外食の手引きが新しくなりました。
 以前社会保険中央総合病院で高添先生、栄養士の斉藤先生と一緒に作成したものです。味の素ファーマ社が協力してくれ作成していましたが、今年改定されて新しくなりました。

 エレンタールの飲む量と必要なミネラル・ビタミンが記載されており、外食のメニューでクローン病の病状にふさわしいもの、あまり好ましくないものが★であらわされています。
食生活の参考にされてください。
質問から
はんなり豆腐さん お待たせしました
1)昨年にクローン病と診断され、最近また調子が悪くなりました。
今はまたプレドニンを飲み、エレンタールのみの食事にしているのですが、この2.3ヶ月は思うように回復しません。
2)医師からレミケードの投与を勧められていますがレミケードに関する詳しい説明はなく、パンフレットを渡されたのと免疫抑制剤は子供に影響が出る可能性があるということを聞かされたぐらいなので正直この薬を使用することに不安でいっぱいです。
 
免疫抑制剤は、一度使用しただけでも子供になんらかの影響がでるのでしょうか?レミケードは一度使用するとずっと使用しなければならないのでしょうか?費用はいくらぐらいかかるのでしょうか?
答え
1)紋切り型にパンフレットを渡して説明をしたつもりの先生では心配が尽きないと思います。レミケードや免疫調整剤は経験のある医師が使用すべきです。
2)このブログにはレミケードや免疫抑制剤についての記事がおのおの20本以上あり、詳しく記載していますのでよく読んでからわからないところを質問してください。
3)ひとつだけいわせていただくと、免疫抑制剤は免疫調整剤であり、欧米ではクローン病の標準治療薬ですので、一度使用したからといって未来永劫に影響が出ることはありません。

 
質問から
私は過敏性大腸のガス型です。
 最近、過敏性大腸で「SIBO」というのを知りました。
アメリカの話のようですが
日本人にもおこりえることなのでしょうか?
ひょっとしてその病気なのかも、、
ご回答どうかお願いします。

答え
sibo=SMALL INTESTINAL BACTERIAL OVERGROWTHです。小腸(SMALL INTESTINE)での菌の過剰な繁殖という意味です。ガス型の過敏性大腸でおきてきます。治療は
1)ガス産生菌を減らす抗生物質を服用
2)ガスを産生しない菌を含むプロバイオテックス(ビフィーナなど)を服用。
以上簡単ですがお大事に。
質問から
1)出血を繰り返す小腸型クローン病です。
2)入院してダブルバルーン内視鏡検査と小腸造影を行い、回腸に3箇所程度の狭窄があり小腸の癒着が確認されました。
3)恐く出血源は狭窄の部分にあると考えられますが狭いために内視鏡が届かず出血しないようにする処置はできませんでした
4)主治医からは、内科的にはこれ以上の処置は出来ず、あとは手術しかないと言われました。
 レミケードを継続的に投与して出血が出来るだけ起こらないようにして、狭窄が激しくなり、イレウスが頻繁に起こるようになれば手術と言う方法しかないのでしょうか?
答え
 ダブルバルーン内視鏡に期待したのに病変部を処置できず残念でしたね。クローン病の狭窄、瘻孔、出血に対する外科的な治療法はほぼ完成していますが、内科的治療法は発展途上です。
ご指摘の通りですが、現状では
1)ペンタサ、エレンタールを十分服用
2)レミケードを継続的に投与
3)できれば免疫調整剤(イムラン、ロイケリン)も服用
4)出血が継続するなら、止血剤
5)出血をへらす漢方
6)場合によってはステロイドも少量一時使用
以上をおこなって出血が出来るだけ起こらないようにしてゆきます。

 私の患者さんで大量出血を繰り返し、まったくレミケードが効かない方もいますが、以上の方法でこの3年は出血していません。出血するタイプはむずかしいですが、悪くなるタイミングがつかめれば何とかなると思います。
気を落とさずにがんばりましょう。
質問から
1)潰瘍性大腸炎ですが、退院後の現医はとにかくプレ減量による再燃を気にして減量しようとしません。3〜4ヶ月おきに血液検査くらいです。
2)毎回、減量交渉をしているのですが考えは変わりません。
ドクターTさまのおっしゃるとおり、他のUC記事でも『少量の長期化に緩解維持効果はない』とありました。
3)眼科では眼圧が高めで緑内障の予備軍と診断されたり、長期化することによる糖尿の心配もあるので早めに離脱したいです。

こういう指摘をされると不愉快で関係がこじれたり強固な姿勢をとられるのでは?と不安です。医師としてのご意見をお聞かせ頂ければと思います。
答え
 潰瘍性大腸炎ではステロイドに寛解維持効果はありません。
 寛解期であれば減量すべきです。緑内障の危険もありますので、これまでの事情を話せば減らすのが普通の医師ですが、潰瘍性大腸炎においてステロイド信奉者の医師もまだまだ存在する事も事実です。診療に対する取り組みや医学知識の不十分な先生に診てもらわなくてもいいのではないでしょうか。お大事に。

質問から
1)クローン病で一度手術した事があり大腸の直腸以外の所は全て摘出しています。
2)現在、小腸に狭窄がありロウコウもできていて、CRPは0に近いんですが腹痛が治まらず、手術した方がいいと言われました。 外科の先生によると一時的にですが人工肛門を作ると言われ悩んでいます。
 どうしても人工肛門は嫌なのですが、人工肛門を作らずにすむ方法はないんでしょうか?
答え
 小腸の状態がわからないので、責任ある答えができませんが、
 一時的にストーマを作成するのは、小腸を休ませる意味があります。
小腸に狭窄と瘻孔があるなら、人工肛門=ストーマを作成しないで行うと多く小腸の部分を切除しなければならない可能性が高いです。一時的に人工肛門=ストーマ作成することで炎症の範囲を狭くして手術する方法を考えていると思います。手術医師とよく相談してください。
質問から
ゆうさんお待たせしました
1)あれから入院して絶食+点滴で落ち着いてきたので退院して様子を見ています
2)実は直腸仙骨瘻で病変部はそのままにしてストマ(単孔で直腸は温存)にしてるんですが 現在お尻(仙骨あたり)が疼いたり便意があるのに出ない感じが毎日続いてます。
3)内視鏡を肛門から入れてもらいましたが、便が多く全く見えない状態でした。

 ストマが付いてる状態で直腸の粘膜をきれいにするにはどうすればいいのでしょうか?
答え
 残った直腸の観察にはお湯で繰り返し浣腸するのがいいと思われます。肛門の狭窄がひどくなければ:内視鏡が通るのであれば何とかなるでしょう。
 コメントから
 近年,抗菌剤投与により,IBDの症状改善があったとの報告をよく目にします。クローン病の原因の一つとしてMAP菌が疑われていますが,最近,クローン病の病変粘膜には腸壁細胞の細胞内に入り込む能力を持った大腸菌が多く存在し,そのような細胞侵入性大腸菌がクローン病の発症にかかわているのではないかと報告されたようです。
 答え 
 切除した腸管を用いた研究からクローン病の腸管では、さまざまな腸内細菌が増殖し、粘着し、炎症を起しているようです。
 これらの細菌がクローン病を起す原因なのか、あるいはクローン病患者さんでは、腸管の粘膜の性質が変わってしまい、粘着しやすく、炎症を起しやすくしているのか は結論がつかず、むずかしいところです。動物実験の結果で次第に明らかになるでしょう。
 クローン病に対するリファキシミンという薬の治療効果が発表されました。お待たせしました
 リファキシミンは抗生物質で、これを用いてイタリアで多施設前向き 偽薬対象 二重盲検試験が行われました。
対象83 人の軽度から中等度からのクローン病
Group A (rifaximin 800 mg 一日一回 + 偽薬),
Group B (rifaximin 1600 mg 一日二回)
Group C (偽薬)

結果:
Group A 有効 48% 寛解32%
Group B 有効 67% 寛解52%
Group C 有効 41% 寛解33%

結論
 rifaximin 1600 mg 一日二回の治療による有効率、寛解率は、偽薬に比べて高かった。消化器病の雑誌Aliment Pharmacol Ther. 2006 Apr 15;23(8):1117-25より。
Dr.Tのコメント
偽薬のグループの有効率、寛解率が30-40%と高く、やや軽症の患者さんが対象だったようです。それに比べるとスカッとした切れは乏しいように感じます。今後に期待しましょう。
質問から
1)昨年に大腸全摘し、Jポーチを作りました。
半年してから下痢がつづき、便回数は10〜15回。水便で漏れも酷く、お尻が荒れています。下痢はもうすぐ1ヶ月、痛み、熱はありません。
出血(下血)は便回数が酷く、いきんだときに少しあります。
3)ストマーは苦ではないのですが、開腹したら傷口が治りにくい体質なので、サルベージオペはなるべくしたくないです。

答え
治療は回腸嚢炎と下痢の治療の両方が必要です。
A)回腸嚢炎がひどければ
1)フラジール、シプロキサンなどの抗生剤
2)ペンタサの注腸
3)ステロイドの座薬
などがあります。
B)下痢は
1)フェロベリン、ロペミンなどの下痢止め、
2)ミヤBM、ビオフェルミンなどの整腸剤
3)漢方薬
4)コレバイン
5)食物繊維   などを組み合わせてゆきます。
このようなことで何とか管理できるのではないでしょうか。
お大事に。
質問から
1)クローン病・大腸型でS状結腸から盲腸のあたりまで縦走潰瘍が多くあります。レミケードを投与し、病状は改善してきました。
2)炎症が酷い時に大腸内視鏡を受けたとき、叫び続けるぐらい痛く、二度目の検査の時は麻酔?をしてもらいました。麻酔の時は楽でした。
A)定期検査の時も麻酔を使って貰おうと思うのですが、麻酔を毎回使っても身体に影響はありませんか?また、何度も使うと効きが悪くなるという噂を聞いたのですが本当でしょうか?
B)状態が安定していますが、定期検査はするべきですか?するのなら、どのくらいの期間置きにすれば良いのですか

答え
 悪いときの内視鏡が多少痛いですが、先週は私は、90分で5人のクローン病患者さんの大腸内視鏡をやりましたが、皆痛くなかったといってくれました。麻酔も必要ですが、検査する先生の技術も重要です
A)定期検査のときも麻酔を使用してもらってください。麻酔薬は毎日使用しなければ効きにくくなることはありません。
B)症状に変化が無ければ一年一回位が、適当ではないでしょうか

以上簡単ですがお大事に。
先週、3年ぶりに悪化した患者さんがいらっしゃいました。
 埼玉県在住で、社会保険中央病院時代に治療してよくなった方です。
大学入学後2年間は潰瘍性大腸炎が安定して食事も気にせず、薬を飲まずに、症状無く安定していました。3年生になり最近公私とも多忙になり、ストレスが多く、下痢や出血が増えたので、現在のクリニックまでわざわざ来てくださいました。
 社会保険時代は受験生でしたが、現在は大学生で大人っぽくなっていました。話をよく聞くと飲酒の機会が多く、食事や睡眠も不規則になっていたようです。ペンタサを処方し、少し飲酒を控え、睡眠を十分とるようにお話しました。おそらくこれで潰瘍性大腸炎がよくなるでしょうとお話して本人も安心して帰られました。遠くから僕を信頼して来院してくださり、大変うれしかったです。
質問から
CDでF大学に通院しております。先日にロウ孔を含む小腸(1m弱)の切除と4箇所の狭窄形成という外科手術を受けました。その後一週間かけてIVHからEDへ移行し外科から内科入院に変わり、術後の経過は良好です。
さて
内科での治療計画を確認したところ
1)EDで一ヶ月安静にする
2)一ヵ月後、小腸造影を実施
3)問題が無ければ食事を開始
4)レミケードおよび免疫抑制剤の使用)
 入院して現在まですでに1ヶ月強経っており、
この上EDで一ヶ月安静(入院)と言うのは“長過ぎでは?” と思いますし、仕事・生活等から考えて現実的な選択とは思えません。

答え
退院は、もう少し早くても問題ないでしょう
一般的に手術後2週間で、ED+食事でおなかの傷に問題なければ退院です。再燃は3ヶ月か6ヵ月後の小腸造影でチェックすればいいのではないでしょうか。それで再発ならレミケードや免疫抑制剤の使用ですね。簡単ですが、お大事に。
質問から おまたせしました
 クローン病か潰瘍性大腸炎かまだ診断がつかないものです。
長期的にみて,CRPの上昇(変動)が少ないものはUCの可能性があるといったように,CRPが一つのスクリーニング材料になりえるのでしょうか

答え
確かにクローン病ではCRPが高い方が多く、潰瘍性大腸炎では重症化しなければ、CRPはほとんどが2以下ですが、
 クローン病か潰瘍性大腸炎かの区別は
1)内視鏡、バリウム検査
2)ASCA、ANCAなどの抗体検査
3)病理検査
4)経過のバターン(皮膚ろう、内瘻、痔瘻などがあればクローン病らしいなど)  によって区別されます。
 CRPだけではなんとも区別できかねます。潰瘍性大腸炎などは、病気の経過を見てゆく事が診断上重要です。

以上簡単ですが、お大事に。
 
質問から
潰瘍性大腸炎で05年に2ヶ月半入院しました。退院後半年は不安定でしたが、その後は安定していて何を食べても飲んでも下痢もありません。内視鏡も血液も問題ないです。
現在プレドニン10mgキープが続いています。
現主治医の1年半のキープ治療に不満です。
答え
 潰瘍性大腸炎のプレドニンの使用法は
1)悪化時には多めに使用
2)良くなったら慎重に2週間ごとに5-10mg減らす:例40→30→20→15
3)少量(5-10mg/日)を長期間続けても潰瘍性大腸炎の寛解を維持する効果は無い上、長期的には糖尿病、骨粗相症、緑内障などの多くのリスクがあります。
4)減量して潰瘍性大腸炎が悪化するなら免疫調整剤を併用してプレドニンを中止する
ことができます。慎重に減らしてもらってください。
 潰瘍性大腸炎でプレドニンの減量の必要性がわからず、減量のやり方や免疫調整剤の使い方を知らないなら、適切な主治医ではありませんので、担当医を変えてもいいのではないでしょうか。
以上簡単ですが、お大事に。
 現在のクリニックで診ている患者さんですが、Oさんという20歳代前半の男性がいます。潰瘍性大腸炎の左大腸型で、ステロイド減らすと出血するため、一日10mg以上が7年近く継続されていました。本年2月に埼玉県からご家族といらしたときは、ステロイドを減らすために免疫調整剤の導入を求めての来院でした。
 話を聞くと
1)本人が実にさまざまな情報を知っている(ブログ、インターネットなどで)、また少しでも出血が増えると動転してしまう。発病初期に大腸カメラ検査で腸に穴が開いて緊急手術になり、大腸カメラが怖い。
2)主治医は多忙で、潰瘍性大腸炎の専門ではなく、患者さんの要望にやや振り回わされている(直前に2クールLCAP施行後もステロイドを減らしていない)出血をひどくしないように7年間一度もステロイドが一日10mg以下になっていない。
 診察すると
1)病状はそれほど重症ではない:便が4-5回で出血が軽度、腹部で押して痛いところが無い。身長175cm体重52kgとやせている。
2)超音波で確認すると大腸の炎症は潰瘍性大腸炎左大腸型であるが、それほどの炎症はなさそう。
3)血液検査でも炎症をしめすデータは少ない。
 以上から
1)潰瘍性大腸炎にたいする免疫調整剤のメリット、デメリットを説明。
2)その前に潰瘍性大腸炎の治療としてペンタサの注腸を行うことを提案しました。
3)大腸カメラは本来はじめにするべきですが、本人の気持ちを考え、ペンタサの注腸を行って結果を見てから行うことを約束しました。
 現在
 4ヶ月がたちますがステロイドを20mgからゼロにできました。免疫調整剤を使用せずにすみました。
 先月の内視鏡では、直腸から下行結腸の潰瘍はかなり小さくなり、潰瘍性大腸炎の粘膜の炎症は安定していました。食事制限もかなりしていたので、やせていましたが徐々に増やしています。
 本日ご本人に話したこと
1)高校時代から潰瘍性大腸炎で、大変だったが、ステロイドをゼロにできたので、自信を持ってほしいこと。
2)病気は僕が心配するから、これからの人生に前向きに取り組んでほしいこと。
3)男として生きるうえで、体力は基本であるから、腹筋、スクワット、ストレッチを始めること。

 やはり主治医がきちんと潰瘍性大腸炎の病状を見極めて、責任と自信と持って治療に当たり、潰瘍性大腸炎の治療方針を本人に示すことが重要であると痛感しました
 
質問から
torさんお待たせしました。
1)大学病院の主治医に別医院の漢方薬も治療に取り入れてみたいと話したところ、試すのであればうちでは診れないので他の所へ行ってくれと言われてしまいました。お医者様はその漢方薬の事を知っていたようですが、反応は良くありませんでした。
2)西洋医学から見た漢方薬などの薬は「手を出さないで欲しい」部類に入るのでしょうか?又大学病院では「把握出来ない事をされては困る&自分の治療に従って欲しい」といった事があるのでしょうか?

答え 
 漢方薬は基本的には症状を改善し、体調をよくするように生薬を中心に練り上げられた診断体系です。病気と体調をひとつのイメージでまとめた証にあらわします。中国4000年といいますが、主な原典は中国の宋、明時代、わが国では江戸時代に定まっていますが、これは解剖も生理もわからなかった時代です。
 また以前は患者さんに合わせて漢方薬を調合していましたが、現在では約200種類の処方になっています。新しい薬はなく、治療結果の報告も数例から数十例の経験的なものがほとんどです。
 西洋医学はこの十年で、急速に進歩し毎年多くの新薬が登場します。またさまざま病気に対するの効果も数百例規模で、統計的に詳しく検討されています。
 また漢方医が悪化時の治療をすることは無く、入院時の治療は専門病院や大学病院の医師が担当します。
 潰瘍性大腸炎は150年前に病気の概念がまとめられた、近年急増している新しい病気です。西洋医学できちんと治療しようとしている先生を信頼して治療を受けてください。
 併診するにしても、漢方の先生に潰瘍性大腸炎のどれくらいの症例を治療してどれくらいの効果があるか聞いてからにしましょう。まとめていない方が多いようです。
簡単ですが、お大事に



質問からmishaさんおまたせしました。
1)消化器科にて内視鏡検査で潰瘍性大腸炎の所見がみられ、病理組織検査も同様ということなので、このまま様子をみましょう」と医師より告げられました。次回診察は一年後の内視鏡検査と成り、薬をなんら処方されることもなく、それから半月ほど過ぎた今、またぞろ血便様が始まったのですが、それでもこのままでよいものかどうか考えあぐねて居ります。
2)粘液血便とは、あたかも体内粘膜が剥離した黄白色様の皮状の排泄物にジャム状ないしイチゴ状の血液が混在したものでしょうか? また潰瘍性大腸炎とは排便後にツーっと鮮血が肛門より出る場合もあるのでしょうか? ? 
答え
1)潰瘍性大腸炎であれば、5ASA製剤(ペンタサやサラゾピリン)が 処方されるべきです。主治医を換えるべきでしょう。
2潰瘍性大腸炎では大腸の粘膜に炎症が起きますので、上皮(かわ)がはがれて粘液がでてきます。同時に出血しますので、粘液血便となります。潰瘍性大腸炎の炎症の部分が直腸にひどい場合はより赤く、奥のほう(S状結腸、下降結腸)もひどければ赤とこげ茶が混じります。また潰瘍性大腸炎の症状は良くなったりわるくなったりします。
簡単ですがお大事に。
 潰瘍性大腸炎に一日一回の薬が登場。
 潰瘍性大腸炎の治療には、ペンタサやサラゾピリンがよく用いられています。ペンタサやサラゾピリンによる治療では、大腸における薬の濃度を一定に保つために一日3-4回に分けて薬を飲む必要がありました。
 最新の技術によって、MMXメサラミンという薬が開発され、小腸で溶解せずに大腸で溶け出すように設計されており、一日一回で済むようになりました。軽症から中等の潰瘍性大腸炎に対してがMMXメサラミンの有効性を検討した結果が消化器の一流医学雑誌GASTROENTEROLOGY誌に2007年132号66-75ページに報告されました。
 それによると334人の患者さんを対象に多施設前向き二重盲検試験のが行われ、結果は偽薬グループが22%が寛解するのに対して、MMXメサラミングループは(4.8g一日一回)を投与された患者さんは41%が寛解になりました。大腸で放出されるASACOLという薬(一日3回服用)とも比較されましたが、MMXメサラミンがより強力に症状や内視鏡での炎症を抑制しています。また副作用には重大なものはありませんでした。
 ペンタサには小腸で放出が始まり、服用した量の半分しか大腸で放出されないという欠点があります。またサラゾピリンには硫酸基により尿や汗が黄色くなる、肝臓障害、皮膚炎、精子の活動を減らすなどの好ましくない副作用があります。どちらも一日3-4回飲む必要があり、潰瘍性大腸炎の患者さんの生活スタイル考えて、十分な量を飲んでいないケースがしばしばです。
 MMXメサラミンは、アメリカではリアルダ(LIALDA)、ヨーロッパではメザバント(MEZAVANT)という名前ですが、血圧やコレステロールなどのの薬がいずれも一日一回ですむように開発されてきたことを考えると、一日一回で十分ですので服用しやすいので今後の展開が大いに期待されます。
質問から
1)特定疾患の申請で主治医に記入してもらったところ、現在緩解と書かれました。症状も血液検査も良好になれば、1年たたずとも緩解と言えるのですか。ちなみに退院後、内視鏡検査はしていません。
緩解という定義を教えてください。
2)主治医から症状も血液検査も良好なので、
ペンタサを中止するか希望を聞かれます
専門医にみてもらったほうがよいのでしょうか。

答え
1)潰瘍性大腸炎の寛解の医学上の定義ですが、
一般に緩解とは病気の状態が治療によって安定して症状や検査データが正常範囲にあることです。
治癒とは病気の状態が無くなり完全に正常の状態となること
といえます。
 潰瘍性大腸炎で症状が落ち着いており、検査データが正常であれば、緩解と言えます。治癒は潰瘍性大腸炎に関しては一般医学常識では治癒はないとされています。少なくとも2-3年しっかり治療して内視鏡所見が正常化するまで待ちましょう。
2)以上のことから、早めにペンタサを減らすよりも、内視鏡で潰瘍性大腸炎の状況を確認しながら、ペンタサを減らすべきでしょう。内視鏡で潰瘍性大腸炎の粘膜がまったくきれいになり、ペンタサをへらして再発せず、中止しても内視鏡で粘膜がきれいになり生検で組織がほぼ正常であれば、潰瘍性大腸炎はほぼ治癒ということになるでしょう。
以上簡単ですが、お大事に。
質問からkannsukeさんお待たせしました
 40歳代の男性です。若い頃から下痢になりやすいタイプなんですが、最近は頻繁になってきました。いろいろ調べていますが、過敏性腸症候群に似ています。しかしこれは若年層に多いと聞きますし、私はSOHOで朝の通勤などというモノにも無縁です。緊張の場がないのに症状が出るのです。
1、不定時の下痢。2、便秘無。3、下腹痛無。4、正常時便は良好色形。5、下痢時は虫垂から上腹部あたりが若干痛む。6、発熱無。
どう考えたらいいでしょうか

答え
 まずは内視鏡検査を行って、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸癌、腸の結核などを否定してから過敏性腸症候群ということになります。
 過敏性腸症候群には、いろいろなタイプがあります。むろん若い方に多い病気ですが、今見ている患者さんで60歳代の方もいます。ストレスや緊張と関係する場合もありますが、食事や飲み物で下痢が起きることもあります。内視鏡検査を行って、異常ないことを確認しましょう。
以上簡単ですがお大事に。