ドクターTORAの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

「患者さんは最高の教科書である」
 東大の研修医のときに良く聴かされた言葉です。僕ら臨床医は患者さんを診療して経験を積んできました。
しかし、近年、
A)分子生物学の驚異的な発達により病気の成り立ちにかかわる重要な分子がはっきりしてきました。このことによってそこだけを狙った分子標的薬が多くの成功を収めるようになりました。
例としては、
1)関節リューマチ、クローン病における抗TNFα抗体薬(レミケードなど)
2)インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、HIVウイルスにおける強力な抗ウイルス薬療法によるウイルスの抑制
3)慢性骨髄性白血病・消化管GIST腫瘍におけるゲニマチブ
4)乳がんにおけるハーセブチン  などなど
また
B)統計学に裏打ちされた臨床的治験が数多く行われ、詳細な解析から、どのような治療が有効か、科学的に証明されつつあります。
例として
1)糖尿病の腎臓障害は進行性であると考えられていましたが、ARB系高血圧治療薬で阻止できることがわかりました。
2)コレステロールを低下させるスタチン系薬剤(メバロチンなど)が血管の動脈硬化のプラークを安定化させて、単にコレステロールを下げるだけでなく、心筋梗塞、脳梗塞になる確率を15-35%も下げることが証明されました。
3)クローン病については、アザチオプリン(イムラン)は手術後の再発、再手術を有効に阻止することが証明されてきましたし、インフリキシマブ(レミケード)は入院率や手術率を下げることが証明されてきました。
 このような事実は、欧米のガイドラインや日本の治療指針によく書かれています。しかしガイドライン通りにうまくいかないのが臨床です。
そして、このブログに寄せられるようなさまざまな難治な状態、問題点、解決すべき点があることもあきらかな事実です。
 このブログで皆さんからの質問に答えることは実際に診療しないで行うため、責任がもてない面がありますが、個別の質問から、より一般的な部分を抜き出して回答するようにしています。このブログへの質問に回答するのはともすれば単調になりがちな自分の臨床を吟味するきっかけになります。今後とも、いろいろな質問やコメントを寄せてください。
    Dr.T