ドクターTORAの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

”揺れて沈まず”パリ市の市の紋章にある言葉だそうです。
永年、潰瘍性大腸炎患者さんを診ていて感じることは、潰瘍性大腸炎の受け入れがうまくいかないことが少なくないことです。若い患者さんが多いため、診療中に患者さんからは、以下のような質問が多くなされます。
なぜ自分だけがこんな厄介な病気:潰瘍性大腸炎なのか。
いつまで潰瘍性大腸炎を治療するのか。
どうやって食事や生活をすればいいのか。
本当に今の治療でいいのか。
どこかにうまい治療はないか。

また質問しない方でも頭の中で、上記のようなことを悶々と考えておられるようです。
 この前、あるコラムで現代は便利すぎて我慢できない時代になってしまったということが書いてありました。たしかに、昔は(僕の少年時代も含めて)宿題が終わるまではプロ野球中継を見せてもらえなかったり、学校の図書館でわからなかったら、日曜日に電車に乗って都立図書館に出かけて調べたものです。また自分は一時期たいへんな田舎に住んでいたものですから、参考書を買うのに一時間一本の列車のローカル線で、3つ向こうの駅に行かねばなりませんでした。
 ところが現代では、我慢する必要なく野球中継は録画でき、図書館に行かなくてもインターネットで調べることができます。また、私が研修医になった頃に、むずかしい患者さんの治療法を探すのに、専門家と呼ばれる先生に直接電話をしてお尋ねしたり、医学中央雑誌という電話帳のような分厚い雑誌(一年分で数冊)を引いて文献を調べたものです。現在はPUBMEDという検索のHPで瞬時に調べてしまうことができ大変便利です。24時間営業の書店やコンビ二があり、携帯電話などなど、大変便利ものに囲まれています。われわれ現代人は時間をかけて何かをすることや、我慢をすることが減りました。しかし便利なものはみな短時間で行えるように仕組みを作り、潜在的な需要を掘り起こしたもの似すぎないのであって、何かを成し遂げたり、克服するのがあっという間にできたりするわけではないのです。
 闘病にせよ、仕事にせよ、達成には時間と手間がかかることに違いはありません。潰瘍性大腸炎の治療も大きく進歩し、入院したり、仕事を休むことの可能性は減りましたが、潰瘍性大腸炎の病気の本態は変わるわけではありません。 
皆様、ゆれても沈まないで、人生を楽しんで、潰瘍性大腸炎を受け止めてください。お大事に