ドクターTORAの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

 11月22日にヘリコバクター学会の主催で、ヘリコバクターの発見者:マーシャル先生:2005年ノーベル医学賞受賞の講演があった。
 マーシャル先生は、オーストラリアの先生で研修医時代に胃の中のらせん状の細菌に興味を持ち、ワレン教授の指導の下に1983年に培養に成功した。この細菌は当初カンピロバクター・ピロリとされていたが、詳細な検討から食中毒のカンピロバクター菌とは別の菌であることからヘリコバクターと改名された。
 1980年当時は胃潰瘍はストレス、胃酸と防御因子のバランスによっておきるので、胃酸を抑制する薬H2ブロッカー(今市販されているがスター10もそのひとつである)による治療が主流を占め、より強力なプロトンポンプ阻害薬(オメプラール、タケプロン)が開発されつつある時期であり、H2ブロッカーの開発者であるブラック先生が来日して講演した時代である。 
 ナポレオンや夏目漱石など歴史上に偉大な人物もしばしば胃潰瘍に悩まされている。さまざまな因子がかかわっていると考えられたい胃潰瘍十二指腸潰瘍がたった一つの菌の除菌で治ってしまうとは、誰も想像できなかった。
 マーシャル先生は、胃潰瘍との関係を徐々に明らかにし、胃潰瘍・十二指腸潰瘍患者に対してヘリコバクターの除菌を行い、わずか2週間の除菌治療によって胃潰瘍が治癒することを証明した。研修医の頃の疑問から出発して研究を進め、それが成就するとはなんとすばらしいことだろう。

ワレン教授とマーシャル先生
 
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