ドクターTORAの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

レミケード06講演会のWolf先生のお話は、論文や学会報告にご自分の症例を織り交ぜたもので、さすがに経験豊富だと感心しました
経過の長い、興味深い症例が示されましたので引用します。
JL さん75 男性45歳でクローン病と診断。
5回小腸切除歴あり、6-MP(ロイケリン)によるすい臓炎の副作用あり
1998年:67才のとき, 小腸病変と痔瘻再燃のため、レミケードとメトトレキセート(メトトレキセートはイムランと同様の免疫調整剤:日本では主にリュウマチで使用されています)を開始した。
2001年:肺炎が出現し、メトトレキセートの副作用による間質性肺炎と診断され、メトトレキセートは中止した。以後レミケード(体重kgあたり5mg)8週間おきに2003年まで継続。途中、症状が8週以内に悪化するため、レミケード(体重1kgあたり10mg:アメリカでは重症の場合10mg/kg体重kgに増量可能)
2004年:胸部の日にあたる部分の皮膚に扁平上皮癌、2005年:腕の日にあたる部分の皮膚に黒色腫出現。ともに切除術行い治癒。
2005年,回腸が狭くなり、繰り返す入院のため、回腸切除手術。
手術後、レミケード(5mg/体重kg)を再開、継続。
JL氏のコメント:クローン病と診断されてから大変でしたが、通算58回のレミケード治療を受けて、生活の質(QOL)はこの30年で最高です
私の感想:5回の手術歴のある難治の患者さんですが、ロイケリン、メトトレキセートが副作用で使用できず、2003年からレミケードだけでがコントロールされていることは本当にすごいことであり、白人男性に多い皮膚がん(扁平上皮癌と黒色腫)が出現したことにレミケードの関連はあるかもしれないが、成功裏に治癒切除されていて、患者さんのマネジメントがうまくいっているすばらしい結果です