ドクターTの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

昨日は、社会保険中央病院の肛門科の送別会に出席しました。
三月で大腸肛門病センター長I先生、医長O先生、ほか5人がやめられるとのこと。
自分が2000年4月から社会保険中央病院に勤務して以来、肛門疾患の手術、潰瘍性大腸炎、クロン病の腸管手術など肛門科の先生方には本当にお世話になった。
夜中でも、休日でも緊急手術時の的確な対応に、何度も助けていただいた。
社会保険中央病院の肛門科はスタッフは全体で12-15人である。
しかし皆経験は豊富で消化器外科として研修が終わった先生方が、研修生の形で勤務するため、手術前、手術後の急変時に対応に本当に素早い。
送別会では二次会まで参加したが、病棟の看護士さん、外来の看護士さんと盛り上がって大カラオケ大会になった。
4月以降S先生が中心となって新しく作ってゆく事でしょう。
辞めてゆく先生方、残られる先生方、多くの看護士さんからエネルギーをもらっていい夜でした。
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今日は6人の患者さんで2.5時間だった。
大腸の奥までの挿入は5分かからないが、観察や処置に万全を期したいため、やや時間がかかる。
僕のやり方では、患者さんには右側や左側に体の向きを変えてもらうことで少しでも死角を減らしている。
図の様にポリープが多いのはs状結腸や直腸だが、一番奥の上行結腸も少なくない。
s状結腸や直腸はとくに見逃しやすいので行き1回、帰り2回と合計三回観察する。
最後はなるべく腸管のガスを抜いて終わりにする。
自分にとって快速内視鏡とは、奥までの挿入が早く、痛みがすくなく、細かい病変の見逃しがなく、最後におなかにガスがたまらないようにすることである。なかなか完璧にはいかないが、日々少しずつ良い方向に向かうように心掛けている。

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『クローン病の患者さんの大腸カメラはむずかしくて、本当言うとやりたくないですね』
かつて一緒に働いていたI先生の言葉である。
彼自身が腸の病気があり、二年間社会保険中央病院で一緒に頑張った仲である。かれは、優しくてガッツのある先生で、決して面倒がったりしないナイスガイである。この言葉はクロン病の大腸カメラがいかに難しいかを物語る。
実際、
1)前処置の下剤を十分飲めない方が多い、
2)一般に腸管が長く、以上から腸管の中に便カスが残りやすく、よく観察できない。
3)潰瘍や狭窄を通過する時にはどうしても押し込む挿入法になるが、炎症で痛みが強いの大変である。
4)入り口の肛門が狭いために大腸ファイバーの動きが制限される
5)さらに度重なる手術で癒着(腸管が他の臓器にくっつくこと)してどうにも入らないことも多い
僕自身の解決策としては
1)やや多めに鎮痛剤、鎮静剤を用いて行うこと
2)細いファイバーを用いること
3)なるべく押し込まずにたぐって入れること
4)癒着で硬い場合や狭い場合は、ムリをしないことである
5)できれば炎症の落ち着いた時期に行う事である。

福岡病院からS保険中央病院、現在のクリニックまで、数百例のクロン病患者さんの大腸カメラを行ったが、幸いにして孔があいたり、出血したりした事はない。
毎年、申請書の時期(6月から9月ごろ)には全国でたくさんのクローン病の患者さんが大腸カメラをうけることを考えると患者さんも先生方も本当に大変だなーと思う。僕自身はむずかしいからこそ、その患者さんが以前に大腸カメラ受けたときより苦しくないように楽なように、日々工夫している。
今日は午後、検査は6人ほどで合計100分だった。
 ポリープのある方2名、内視鏡的バルーン拡張術1名、観察と組織検査のかた3名であるため、いずれも挿入は5分以内だが、観察や組織検査、ポリープ切除を入れると一人16−7分かかっている。
 細かい観察で組織検査を行い、ポリープやバルーンの処置をいれるとをこのくらいがスピードの限界である。自分としては快速大腸内視鏡は、単なるスピードではなく、見逃しの少ない十分な観察、出血しないような処置、痛みの少なさなどトータルな到達点の高さが患者さんに取って”快速”であることを最大の目標においている。
CF奥まで

今週、オリンパスから細い胃カメラをかりて検査しています。
数人の患者さんに挿入しましたが、三月はじめに自分で経験していたので、順調にできました。細いので腰がなくゆっくり入れたり出したりすることがポイントでした。検査する側からは、画素数が少なく、画像が粗いのが難点です。
現在は、内視鏡で小さな胃ガンや食道癌を切除する時代ですから、小さい癌を見つけるには細かい粘膜の変化をきちんと観察することは、重要です。いまの画像では難しいように感じました。消化器のプロが用いるには画像がもう少しレベルアップしないと見逃しが恐いです。将来、解像度がもっとあがれば、このタイプがスタンダードになるでしょう。
クローン病では腸が狭くなりますので、次第に食事が通らず腸閉塞を起こします。
狭いところが4cm以下であれば内視鏡で見ながらバルーンで拡げる:バルーン拡張治療をおこなうことがあります。
バルーン拡張治療は15年前から欧米で行われ、僕自身は福岡高野病院から社会保険中央病院であわせて約40例60回以上経験しました。
バルーン拡張治療:3気圧から5気圧で三分間から5分間拡げます。拡げる間はおなかが張って苦しいのですがですのでだいたい我慢できるようです。
炎症や潰瘍が落ち着いている場合は、とくに出血もなくうまく拡張できますが、炎症や潰瘍がひどい場合は、拡げてもすぐにもとに戻ってしまいます。まずはクローン病そのものの炎症のコントロールが重要です
バルーン拡張治療は経験のあるdoctorがよいでしょう

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細い胃カメラ
口から入れる今までの胃カメラとは違って鼻から入れる4.9mmの内視鏡を体験しました。
やや太いパスタのような太さです。まず、自分が先に他の先生に入れてもらいました。
麻酔薬のゼリーを塗ったチューブ(4mm次に6mm)で鼻の孔を三分間麻酔してさあ挿入です。鼻を通る感触がやや気持ち悪いですが、細いので喉を通るときの吐き気や痛みはほとんどなく、順調に5分ほどで検査が終わりました。
感想は、細いので吐き気や痛みが少なく楽なことです。また鼻から入るので検査中も会話ができることです。鼻の麻酔だけなので検査後すぐに食事ができることも良い点です。むかしの胃カメラの太さと堅さと比べたら、なんと細いことか!時代が変わりました!
現在まで、炎症性腸疾患の原因として報告された疾患遺伝子とその名前、染色体状の位置の一覧を示します。以下:遺伝子の名前 存在する染色体上の位置 病気(CDクロン病、UC潰瘍性大腸炎、IBD炎症性腸疾患)の順序で
1)IBD1(別名CARD15) 16q CD、2)IBD2 12q UC、3)IBD3 6p IBD、4)IBD4 14q IBD
5)IBD5 5q(別名OCTN) IBD、6)IBD6 19p IBD 7)IBD7 1p IBD、8)DLG5 10q23 CD
9)TNFsf15 12q CD

 当初1996ごろは見つかった順にIBD1,2,3とつけられていましたが、2003年以降は遺伝子解析を行って見つけてみたところ、すでに知られていて、ほかの名前がついている遺伝子と同じものだったのでこのように名前が2つ付いています。{例8)や9)}
 疾患関連遺伝子9)は、社会保険中央総合病院時代に高添部長、私とI先生が483人の患者さんの協力をえて検体をいただき、東京大学医科学研究所の解析によって日本人ではじめて見つけた遺伝子です。新しい治療薬のきっかけになるかもしれません。
図はヒトの染色体上のクローン病疾患関連遺伝子の位置で、赤いところに遺伝子が存在します。20060507114236.jpg