ドクターTの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

問から 
 セリアック病またはシリアック病(Coeliac disease。Celiac diseaseとも綴る)である小麦や大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質の一種であるグルテンに対する自己免疫疾患ですが、
の治療経験があれば教えてください。
答え 
 セリアック病は、小麦や大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質の一種であるグルテンに対する自己免疫疾患で小腸の上皮にリンパ球が浸潤し、絨毛の変化から吸収障害、下痢などをきたします。
 西洋人ではかなり患者さんがいますが、日本ではまれで、学会報告ですら数年に一例くらいでしょう。かなりまれです。残念ながら自分の周囲にも聞きましたが、治療経験はありません。
教科書的にはグルテンを避ける食事にすればいいとのことです。あしからず。
質問から
私は過敏性大腸のガス型です。
 最近、過敏性大腸で「SIBO」というのを知りました。
アメリカの話のようですが
日本人にもおこりえることなのでしょうか?
ひょっとしてその病気なのかも、、
ご回答どうかお願いします。

答え
sibo=SMALL INTESTINAL BACTERIAL OVERGROWTHです。小腸(SMALL INTESTINE)での菌の過剰な繁殖という意味です。ガス型の過敏性大腸でおきてきます。治療は
1)ガス産生菌を減らす抗生物質を服用
2)ガスを産生しない菌を含むプロバイオテックス(ビフィーナなど)を服用。
以上簡単ですがお大事に。
質問からkannsukeさんお待たせしました
 40歳代の男性です。若い頃から下痢になりやすいタイプなんですが、最近は頻繁になってきました。いろいろ調べていますが、過敏性腸症候群に似ています。しかしこれは若年層に多いと聞きますし、私はSOHOで朝の通勤などというモノにも無縁です。緊張の場がないのに症状が出るのです。
1、不定時の下痢。2、便秘無。3、下腹痛無。4、正常時便は良好色形。5、下痢時は虫垂から上腹部あたりが若干痛む。6、発熱無。
どう考えたらいいでしょうか

答え
 まずは内視鏡検査を行って、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸癌、腸の結核などを否定してから過敏性腸症候群ということになります。
 過敏性腸症候群には、いろいろなタイプがあります。むろん若い方に多い病気ですが、今見ている患者さんで60歳代の方もいます。ストレスや緊張と関係する場合もありますが、食事や飲み物で下痢が起きることもあります。内視鏡検査を行って、異常ないことを確認しましょう。
以上簡単ですがお大事に。
質問からYなかさんお待たせしました。
過敏性大腸症候群に悩んでいます。
病院もいくつか変えました。
現在どうしたらよいのか分からず、食事も正常に摂取できていない状態です。相談にのっていただけたらと思います。

答え
どんな症状か良くわからないのですが、相当重症なようですね。過敏性大腸症候群には、現在いろいろな薬があり、漢方薬も交えて治療します。診察して症状に応じて処方すれば何とかなるかもしれません。相談に乗りますので町田のクリニックにいらしてください。
お大事に
質問から
私は車に乗るとおなかの調子が悪くなります。
なぜなのでしょうか?とても悩んでいます。
ちなみに電車の特急もだめです。

答え
今、町田のクリニックで診ている患者さんにもそのような方がいます。
その方は、電車が大変でした。現在、抗不安薬などでだいぶ落ち着き、町田から新宿まで降りなくてすむようです。
 自動車も特急もすぐにはトイレに行けないので、そのことを潜在的に心配しておなかの症状が出るのでしょう。
 いろいろな過敏性大腸炎の薬と不安神経症の薬をうまく組み合わせれば大丈夫でしょう。
お大事に。


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コメントから
 「過敏性腸症候群と診断された方の何割が潰瘍性大腸炎,クローン病と診断される可能性があるのでしょうか?」

 たいへん難しい質問です。
 過敏性からクローン病・潰瘍性大腸炎への移行率は残念ながら私の限られた経験では答えられません。
理由:過敏性大腸症候群は
1:消化器内科と心療内科で半分づつ診療しているため、全体数の把握が困難。
2:過敏性大腸症候群:若い方に多く、診療所や病院に来ることが多くない。ひどくない患者さんは自分で市販薬で我慢してしまいます。
3:以上から本文で示した大まかな数字から類推して移行率は2-5%くらいとしか答えられません。

あしからず。
以下はクローン病の模式図です。

クローン病模式図

日本では大腸がんやポリープが増加しています


 大腸がんによる死者は10年間で3倍に上昇しましたが、欧米に比べてまだ少ないため、今後さらに増加すると予想されています。
 日本では、集団検診のスクリーニング(病気の方を拾い上げる手段)として、この15年来、便潜血検査が行われていますが、以下の欠点が知られています。
1)受診率が低い=対象者に比べて便潜血の受診者数が少ない。
2)偽陽性が多い=本当はポリープや癌でないが、便潜血が陽性。
3)偽陰性がある=本当はポリープや癌であるが、便潜血が陰性。
4)二次検査の受診率が低い=便潜血が陽性でも、大腸の検査に抵抗があるため、検査を受けない方が多い。

この中で、大腸内視鏡検査は、4)に関連しますが、この十数年で飛躍的に進歩しました。
しかしまだまだ職人芸的なテクニックが必要で、安楽に行う施設はやや限られていますが、一方で、私の患者さんの中には胃カメラよりも楽だったという方も少なくありません。
 自分自身も父や叔母に大腸癌を有する家系であり、便潜血を行うよりは検査のうまい知り合いの先生に大腸カメラをときどき行ってもらっています。
下は便潜血のキットです

便潜血キット

食生活の欧米化に従って大腸ガンが増加しています。
大腸ガンは1年間に11万人発生し、十年前比較して三倍の増加とされています。
事実、私自身も父と叔母が大腸癌にかかっています。
教科書には便通異常が症状とされていますが、二人とも軽い血便がきっかけで見つかりました。しかし血便やしこりを触れるような大腸癌ではかなり進行した状態です。
むしろ、早期の大腸癌では、ます症状がありません。便潜血検査が行われていますが、ガンやポリープがあっても陰性の場合が10-20%程度あります。

日本の統計では直腸ガンと結腸ガンを別に集計しますが、
大腸癌の疫学的集計については詳しい情報が国立癌センターのHPにあります。
アドレスはhttp://www.ncc.go.jpです


過敏性大腸症候群の人口の3ー5%いると言われている。実際自分自身もその傾向があり、学生時代は試験前にトイレに駆け込んだものである。
現在のストレスの多い社会はますます腸に負担をかけているようで、町田のクリニックを訪れる患者さんの中には過敏性大腸症候群が少なくない。ストレスをなくす事は難しいので、生活のリズムを改善したり、漢方で冷えをとったりすると良くなる事が多い。
過敏性大腸症候群の皆さんほとんどが来院される前に正露丸を飲んでいることがおおいのですが、ラッパのマークの広告効果はすごいものだと感心する。
心理面と食事面のコンサルトで薬と漢方を併用するとほとんどの方は良い方向になるが、すぐ完全には良くならない。患者さんとして早く完全に治る事を期待する事を強く感じるが、脳神経と自律神経と腸管の筋肉の動きのバランスがもどるには時間がかかる事を理解していただきたい。
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