ドクターTの今日も快腸

大腸の病気(大腸ガン・ポリープ、過敏性大腸症候群、潰瘍性大腸炎、クローン病など)が増加しています。ひとりでも多くの方が快腸になっていただくための最新情報を提供してゆきます。

質問から
ブログの記事で
 「病気が変化した」という記述が見受けられます。たとえば「狭窄や穿孔のクローン病から、出血型クローン病に変化した」という記述があります。
 このように病態が変化する頻度はどの程度あるでしょうか。「穿孔型から出血型」「狭窄型から穿孔型」とパターンがいろいろなので答えにくいかもしれませんが、私自身、この病気を長年患ってきて、ここへきて病態が変化すると、せっかく築き上げてきた「病気との付き合い方」のようなものを再構築しなければならないのかと不安なのです。
答え
 クローン病の場合、さまざまな経過をたどるので,そのことを自分なりに病態が変化したと、呼んでいます。
 たとえば膿瘍でクローン病を発症したが、その後は狭窄をくりかえしで二回手術した=穿孔型から狭窄型?、たとえば狭窄で二回手術したが、その後は出血を繰り返すようになった=狭窄型から出血型?、
 これまで教科書的なクローン病の分類では、病変の場所(大腸型、小腸型、大腸小腸型、その他)や病変の深さ(穿孔型、非穿孔=狭窄型)という区別がされてきました。私自身入院患者さんをデータベースにして約1000例をこのような分類で分けていました。
 しかし長い経過を見ているとはじめ小腸型だった方が、小腸大腸型に変わったり、狭窄型が穿孔型に変わったりする場合も多いので、このような教科書的な分類が、果たして臨床上意味があるのか不明です。確かに穿孔型のほうが手術にいたるケースが多いことは間違いないのですが、、
 一方、このような病態の変化が、なぜそうなるかという研究は十分されていません。したがって現在のところ、狭窄でも、膿瘍でも、出血でも、治療の基本や大筋は変わりません。患者さんご自身の病気の付き合い方もあまり変えなくていいとおもいます。
 逆に自分の経験で言うと、病型の変化よりも、経過の中で、病気の悪くなるターニングポイントが重要であり、そこをうまく捉えて早めに治療すれば手術や入院を避けられるのではないかと感じています。
 以上参考になれば幸いです、くれぐれもお大事に。

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コメントから1)私も残存小腸は2メートルくらいしかないのですが、エレンタールもあまりせずほとんど食事だけでやっています。
2)栄養状態も基準値以上あり、炎症反応もあまりありません。
3)もっと栄養療法をしなければいけないのではと不安になることもあります。いかがでしょうか。それとおなかが張るときガスコンを使ってますが、ダイケンチュウトウとの使い分けを教えてください。
答え人間の体は以外に順応性があって、小腸が2mくらいでも食事で何とかもってしまう方もいらっしゃいます。
 しかしこれ以上の腸管の切除は大変でしょうし、体調を保つ意味でも、以下の点に気をつけてください。
1)炎症の目安は低めに(CRP0.5以下、WBC7000以下、血小板30万以下くらいでしょうか)
2)栄養状態は、アルブミン、コレステロールや体重はいいでしょうから、微量元素に気をつけて(亜鉛、セレン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)
何回か手術をして2mになっているので、ガスが張ることがありえます。ガスコンとダイケンチュウトウは一緒でも有効でしょう。
以上大変な病態ですが、くれぐれもお大事に。
質問から
クローン歴7-8年です:
1)CRPが3ヵ月前0,6でしたが、
2)口内炎が複数できてます。緩解→活発期へと移行中という事でしょうか。
腹痛有り、ガスと下痢が一緒みたいな感じです。
3)薬はペンタサ12錠、ビタミン剤2種各3錠、ガスター1錠、ラックビーまたはダイケンチュウトウを3袋服用、エレンタールは5袋を1日に入れてます。
4)担当医からレミケードを薦められたら受けた方がいいでしょうか?
答え
1)クローン病の再燃時に口内炎が先に出ることは良くあります。もう一度血液検査したほうがいいでしょう。
2)薬にダイケンチュウトウが入っているので、狭窄があるのでしょうか、
レミケードでは狭窄が悪化させる場合がありますので注意が必要です。
つよい狭窄のあるなしは
A)食物が腸を通るときの痛みや、普段のおなかの張り、熟練した医師の触診
B)腹部CTで大まかにチェックすることで大体わかります。

C)以上で、狭窄が疑われれるばあいは小腸造影で確認したほうがいいでしょう。
なお、ほかのレミケードの記事も参考にしてください。
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口内炎


質問から
クローン病でいても隠れ肥満で糖尿病や脂肪肝になることはありますか?
毎日飲んでいるエレンタールのデキストリンは甘すぎるので不安になるのは杞憂でしょうか?
答え
1)確かにクローン病の患者さんで、エレンタールを中心に治療しているとやや肥満になる方がいます。普通の食べ物と違って、エレンタールは消化する必要がないので、効率がいいです。
2)同様に、クローン病の患者さんで、在宅IVHで治療した場合、まったく消化吸収する必要がないので、効率がいいですから、やや肥満になる方がいます。
3)このように、エレンタールや在宅IVHで治療したクローン病の患者さんで、肥満気味の方には脂肪肝を見る場合があります。脂肪肝をきたした場合は、食事との兼ね合いで総カロリーを減らします。
 最近脂肪肝から肝硬変に進むNASHという病気が注目されていますので脂肪肝のチェックは重要です。
4)私もエレンタールで糖尿病になるかということを疑問に思って以前に調べたことがあります。
確か5年前でエレンタール発売15年ぐらいの時期でしたが、1例だけ報告があったと記憶しています。仮に症例報告の10倍も糖尿病になる方がいたとしても、当時全国にクローン病の患者さんは2万人(現在は3万人弱)いますので、確率としては相当低いと考えられます。
 体重が増えすぎたり、肥満になってきたら、主治医と相談してカロリーを調整してもらいましょう。
以上参考になれば幸いです。
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肥満いらすと



質問から
1)主人がクローン病で、3年半程前に手術をして狭窄部分をとりました。
2)最近、熱が出たり、たまねぎを食べたあとで腹痛に襲われました。 本人いわく、「液体だけだとどうもない」。
A)このような狭窄は、かなり腸が細くなっているということでしょうか。血液検査の結果、前回入院したときほど炎症の数値は高くない、といいます。
B)バルーン拡張というのは、切らずに膨らますことができるのですか?

答え
A)たまねぎで強い腹痛があれば、ある程度の狭窄が予想されます。クローン病では炎症が続いて次第に狭窄してゆきます。まずは腹部CT、できれば小腸造影による評価が必要でしょう。
B)狭窄した腸管の治療としては、伝統的に手術が行われますが、
内視鏡的バルーン拡張も有効な場合があります。
内視鏡的バルーン拡張な場合は、バルーンの太さ、長さとの兼ね合いから
i)狭い部分の長さが3-4cmまで、
ii)直径が2-3mm以上で、
iii)狭窄部分の周囲に、膿瘍や瘻孔がない場合です。
このブログの内視鏡のところにバルーンの記事がありますので参考にしてください。
まずは腹部CTで大まかな目安をつけてはいかがでしょうか。

以上簡単ですが、お大事に。

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質問から
1)「小腸型クローン病」と診断されて10年以上です。
2)腸閉塞や腹膜炎ですでに3回の手術を受けています。前回の手術は9年前ですが、何とか毎日フルタイムの仕事をこなしてきました。
3)2ヶ月ほど前から貧血がひどくなり、1ヶ月前に入院、輸血を受けました。2400ml入れたところで「やっと人並みの血液の状態になった」ということで退院しましたが、わずか1週間で再びひどい貧血状態になり再入院、さらに輸血を受けています。
4)不思議なことに、貧血がひどいのに便を調べても下血はなく、あちこち検査しても出血しているところは確認できないそうです。主治医からは「貧血の原因はよくわからない。骨髄の働きが悪くなっているのかもしれない。手術は完全に腸がつまるとか破れるとかしないかぎりすべきでない。手術でいっそう貧血がひどくなる可能性もある。退院して通院で鉄剤の注射を打ちながら様子をみよう」と言われています。

5)今のところは血液の数値がよくなったようですが、すぐまた貧血に陥りそうな気がします。腹痛もひどく、とても仕事に行ける状態ではありません。長年お世話になり手術も二度していただいた主治医を信頼していますが、これまでとは大きく異なる病状に、今後どうなるのか不安を感じています。
6)このブログには「出血型クローン病」について書かれていますが、「出血がないのに貧血になるクローン病」というのもあるのでしょうか

答え
不思議な病態ですね、おそらく次のどちらかでしょう。両方かもしれませんが、、、
1)狭窄や穿孔のクローン病から、出血型クローン病に変化した可能性があります。この場合はたくさん出れば便が血液で真っ赤ですが、少しずつの場合は、よくわからないうちに貧血が進行する訳です。
2)主治医の言うように、骨髄:血液を作るところの異常、の可能性があります。
人間の体はひとつですが、病気が二つも三つもある場合があります。たとえば糖尿病と高血圧、心筋梗塞と腎臓結石、肺がんと食道がん、リューマチと間質性肺炎などが可能性のある組み合わせです。
 クローン病では、出血する以外の貧血の原因として、アミロイドーシスや薬による貧血の可能性があります。また骨髄の異常があるかもしれませんので、さまざまな可能性を良く調べてもらってください。
以上参考になれば幸いです。
くれぐれもお大事に

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貧血イラスト
質問から
小腸型CDです。
 2年前に胃クローンと幽門狭窄になり、
胃の切除をしました。
それ以降、胃潰瘍の薬は飲み続けていますが
最近、また胃痛がひどいです。
レミケードを試してみたいのですが、レミケードは、胃にも効果があるのですか?

答え
 クローン病の胃病変は潰瘍ができることは少ないですが、つよい狭窄がなければ、まずレミケードは有効です。
 実際に、あなたの胃の中にクローン病の胃病変があるか、狭い狭窄があるか、よく胃カメラで確認してから、レミケードを治療するか決めたらいいでしょう。クローン病の胃病変の診断は、慣れた先生ならそれほどむずかしいことではありません。
 また胃の辺りがいたい場合に、実は横行結腸のクローン病やすい臓、胆嚢が原因の場合ががあります。CT検査も合わせて受けてください。

簡単ですが、お大事に。

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UGI1


質問から
 クローン病で、食欲が無くなり 体重が減少し 入院になりました。
小腸透視や採血データからいくと緩解状態にあたるそうです。
食欲が無くなる原因は 他に何かあるのでしょうか? 今は IVHをして 体重回復を目指してます。

答え
簡単で実は難しい質問です。
 小腸透視や採血データからいくと緩解状態にあたるそうですので、
以下に、それ以外の可能性を列挙します。
1)胃や十二指腸にクローン病の病変があるため
2)クローン病の闘病で成分栄養や制限された食事によって欠乏した
微量元素やビタミンによるもの
3)クローン病の闘病で精神的に落ち込んでしまい食欲が低下した

4)これらの複合した状態?

私の経験では、多くの場合入院してIVHを継続すると栄養状態が良くなり、体重が増え、その後に、食欲も回復してきますので、少し気長にがんばりましょう。
くれぐれもお大事に
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質問から
CDで回腸に狭窄があります。
食後や夜中に強い腹痛がして目が覚めてしまいます。
これは、狭窄による通過障害が起こっているのでしょうか、
それとも炎症が再燃しているのでしょうか?
食事は控えた方がいいですか? よろしくお願いします。

答え
実際に診察していないので想像をたくましくして答えます。

一般にクローン病の腹痛は狭窄、炎症、その両方によっておきます。
私の経験からは、おそらくこのような強い腹痛はかなりの狭窄があることが予想されます。場合によっては狭窄+瘻孔(となりあった腸と腸の間のトンネル)があるかもしれません
 ご自分のクローン病の病変がどのようになっているか、腹部CTと小腸造影による検査が必要です。
大変ですが、勇気を出して受けてください
くれぐれも、お大事に。

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CD狭窄

質問から
バルーン拡張
CDの炎症で繊維化し狭窄した腸管をバルーン拡張した場合の腸管破裂のリスクは何%くらいありますか?

答え

1)CDのバルーン拡張は私自身の経験では60回ほど行いましたが、バルーンの圧力を測定し、患者さんの痛みを診ながらやるので幸いにして腸管破裂したことはありませんでした。
2)国内のほかの施設でも、拡張による痛みや圧力(3-5気圧:これはバルーンの太さによりますので施設によって違います)、CDの拡張で破裂が多発したということはほとんど無いようです。1990年代の開発当初はこのような微調節がなく、イタリアや英国からの論文では、連続50例ほどで、1−3%の破裂の危険性があったと記憶しています。
3)また、狭くなった部分がすでに瘻孔をつくっている場合があり、その場合は、拡張した後に瘻孔から腸管が裂けて、破けるようになることもあるでしょう。
4)したがってバルーン拡張術の前には必ず破裂する可能性、瘻孔ができる可能性などの説明をしています。また拡張しなかった場合の病気の進行によってどうなるかということも医師から説明があったとおもいます。
 経験がある医師が慎重に行えば、穿孔や破裂の危険はすくないと思われます

以上参考になれば幸いです。くれぐれもお大事に。
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